海難事故発生時には、日本籍船は監査、外国籍船はPSC等を実施し、再発防止に取り組んでいます。
四国管内において、監査やPSC等の対象となり得る海難事故は32件発生し、昨年度の20件から大幅に増加しています。
新型コロナの影響が少なくなり、海上輸送量が増加したことも一因と考えられます。
注)船員法、海上運送法等の適用外船舶(5トン未満等)のみの海難事故は含まれません。
四国管内の海難事故発生状況
海難事故の種類
内訳は、衝突15件、乗揚11件、両者併せて26件と、全体の約8割を占めています。
この傾向は、昨年度以前から変わりません。
種類 | R5年度件数 | R4年度件数 | |
衝突 | 15 | 5 | |
乗揚 | 11 | 6 | |
機関故障 | 2 | 4 | |
浸水・転覆・沈没 | 2 | 1 | |
海洋汚染 | 0 | 1 | |
その他 | 2 | 3 | |
計 | 32 | 20 |
「衝突」「乗揚」発生場所
衝突・乗揚26件のうち21件が瀬戸内海で発生し、全体の約8割を占めています。
瀬戸内海は島や浅瀬が数多くあり、通航船舶も多いことが原因と考えられます。
種類 | R5年度件数 | R4年度件数 | |
瀬戸内東部 | 12 | 3 | |
瀬戸内西部 | 9 | 5 | |
徳島地域 | 2 | 2 | |
高知地域 | 2 | 1 | |
西南地域 | 1 | 0 | |
計 | 26 | 11 |
国籍
海難事故に関わった船舶44隻のうち、外国籍船は3隻のみです。
管内を航行している船舶は、内航貨物船、内航旅客船、内航タンカー、漁船が多いためと考えられます。
種類 | R5年度隻数 | R4年度隻数 | |
日本 | 41 | 23 | |
韓国 | 1 | 0 | |
ベリーズ | 1 | 0 | |
マーシャル諸島 | 1 | 0 | |
パナマ | 0 | 1 | |
バハマ | 0 | 1 | |
その他 | 0 | 0 | |
計 | 44 | 25 |
船種
船種別にみると、貨物船が17隻と、昨年度より8隻増えています。
貨物船同士の衝突、就業中の漁船への衝突、乗揚が多かったことが一因です。
種類 | R5年度隻数 | R4年度隻数 | |
貨物船 | 17 | 9 | |
旅客船 | 7 | 5 | |
タンカー | 6 | 1 | |
漁船 | 4 | 3 | |
コンテナ船 | 0 | 2 | |
その他 | 10 | 5 | |
計 | 44 | 25 |
トン数
総トン数別にみると100トン未満が14隻と全体の3割以上を占めてトップです。
小型でAISを持たない漁船が、被衝突船となることの多いことが一因と考えられます。
※ AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)とは、船舶局
相互間及び船舶局と陸上局の航行援助施設等との間で、船舶の位置、針路、
速力等の安全に関する情報を、自動的に送受信するシステムのことです。
種類 | R5年度隻数 | R4年度隻数 | |
100トン未満 | 14 | 10 | |
100〜200トン | 2 | 1 | |
200〜500トン | 14 | 7 | |
500〜700トン | 2 | 1 | |
700〜1000トン | 4 | 4 | |
1000〜5000トン | 4 | 0 | |
5000トン以上 | 4 | 2 | |
不明 | 0 | 0 | |
計 | 44 | 25 |