「船員労働安全衛生講習会」を開催しました【鳥羽海事事務所】
2024.12.02
鳥羽海事事務所は、令和6年11月22日(金)に船員災害防止協会の鳥羽地区支部との共催で「船員労働安全衛生講習会」として、船内向け自主改善活動(WIB)・ハラスメント対策の講習会を開催しました。会議室において座学を行った後、遊覧船の「龍宮城」(志摩マリンレジャー株式会社:鳥羽市)の船内で実技の講習が行われました。
本講習会は例年実施していますが、船員労働安全衛生が専門の神奈川大学の久宗周二教授を招いて実施するのは、当事務所における独自の取組です。鳥羽地区での開催は、今年の3月に伊勢湾フェリー株式会社(鳥羽市)で開催した以来の4回目になります。
船内向け自主改善活動(WIB:Work Improvement on Board)は、船員本人がチェックリストによる船内の点検を通じて、船内の危険箇所や問題点を認識し、その対策を講じるとともに、安全意識の向上を図るものです。自分の船(職場)は自分自身が一番分かっているというのが、基本的な考え方になります。
ハラスメント対策は、参加者がシナリオに沿ってロールプレイングを行いハラスメントは嫌なものだと実感し、ハラスメントが起こりにくい環境づくりを考えていただくものです。参加者からは「言うことを聞かない部下に対して、上司がどう対応するかは難しいと感じた」といった意見が出ました。
停泊中の船舶における実技では、参加者は客室やデッキを見てまわり改善すべき箇所を確認し、「外国語の案内や頭をぶつけないためのわかりやすい表示があるとよい」といった内容を班に分かれて話し合って発表しました。
船員災害の発生率は、陸上労働者の約3倍と高くなっています。鳥羽海事事務所では、引き続き船員災害の防止対策を推進し、安全で魅力ある職場環境づくりに向け取り組んでいきます。
ハラスメント対策におけるロールプレイングの様子 頭上の警戒表示の有無を確認する久宗教授 班別で話し合った改善点を発表する参加者