関東運輸局では、地域公共交通の利便性向上等の成果を挙げた取組みや先進的な取組みを実践する地域において、その取組みを中心となって推進し、知識、経験、熱意を有する方を、自治体、交通事業者団体等の推薦により、「地域公共交通マイスター」に任命し、あらゆる機会を利用してその知識、経験、熱意を多くの地域に広めていただく制度を創設しています。
地域公共交通マイスター制度
○地域公共交通マイスター制度の概要
地域公共交通マイスターにご就任いただいた方々には、より多くの地域が地域公共交通に関わる諸課題に取り組む気運を高めるため、地域公共交通に関するセミナーや相談への対応等を通じて、自らの取組みから得た知識や経験を、多くの関係者に継承する役割を担っていただいています。 以下のとおり、地域公共交通マイスターのプロフィール、取組事例等を公開しておりますので、詳しく知りたい、地域の課題について相談したい、という場合には、相談方法などをご確認いただき、ご活用ください。
○地域公共交通マイスター一覧
※氏名をクリックすると、相談方法、連絡先、取組の内容などがご覧になれます。
(所属・役職は掲載当時のものであり、変更が生じている場合がございます。ご了承下さい。)
区分
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居住地
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氏名
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所属・役職
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取組概要
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自治体関係
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茨城県 | 日立市役所 総務部 行政管理課 |
・交通空白地域解消のため、地域がNPOを設立してデマンド型乗合タクシーを導入するに当たり、説明会に参加し、地域の負担に理解を得るとともに、手続全般に対し、中心的役割を果たした。 ・既存の路線バスの維持・拡充のため、地域との話し合いに参加し、全国初の地域住民とバス事業者と市による「パートナーシップ協定」の締結により、地域住民によるバス乗車促進運動、バス事業者による地域の声を取り入れた利便性向上策の実施につなげた。 |
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自治体関係 | 千葉県 | 南房総市役所 総務部 企画財政課 |
・合併により不均衡が生じたコミュニティバス等の再編整備に取り組み、市内全地区長への説明や市役所庁内の連携・情報共有等を通じて、快速バスの運行やデマンド交通導入等、「機能と役割を明確にした公共交通体系」の構築を図った。 ・快速バスが来訪者にとって二次交通としての機能を十分発揮できるよう、鉄道会社への積極的な売り込みを行う等、一次交通(鉄道・高速バス)との連携強化を図った。 |
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自治体関係 | 埼玉県 | (元 三郷市役所 会計管理者) | ・市民の要望を集約し、路線計画やバス停立地方針等の企画を自ら行い、民間バス事業者が採算性を考慮した上で事業に参入する「三郷モデル」を作りあげた。 ・バスネットワーク再編による大幅なバスの増便及び自転車とバスの連携強化を図るなど、国、県、交通事業者等との調整役となりながら、公共交通利用促進によるCO2削減に取り組んだ。 |
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自治体関係 | 神奈川県 | 相模原市役所 企画財政局 企画部 土地利用調整課長 |
・交通不便地域におけるコミュニティバスや乗合タクシー導入に当たり、地域住民・交通事業者・行政の三者協働や運行継続条件・導入基準等を包括させ、運行廃止の可能性も含めて制度化した。 ・地域の運行協議会等において、市と地域の役割分担と協働体制の構築を説き、地域組織主導で住民説明会を開催させるなど、住民自ら取り組む姿勢を引き出した。 |
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自治体関係 | 神奈川県 | 秦野市役所 都市部 公共交通推進課長 | ・交通渋滞問題や交通空白地域解消のため、TDM施策による交通需要側の意識改革と乗合タクシーの導入による地域公共交通の利便性向上を図り、自家用車から公共交通への転換や地域公共交通の維持・活性化を図った。 ・乗合タクシーの実証運行開始に際し、地域懇談会出席の他、事業者・商店街・住民等との協議も精力的に実施し、多様な意見について調整を図り、実証運行開始後も多様な意見を反映すべく、運行計画の見直しを行うなど、持続可能な公共交通の構築に努めた。 |
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鉄道事業者関係 | 千葉県 | いすみ鉄道株式会社 代表取締役社長 | ・いすみ鉄道における2年間の存続検証期間中、公募を経て社長に就任し、沿線商店街関係者による応援団等地元と良好な関係を築きながら、存続に向けて物品販売やネーミングライツ等即効性のある増収策を打ち出し、地域鉄道の再生に取り組んだ。 ・豊富な人脈を活かし、沿線地域の恵まれた自然環境に着目したアニメキャラクターの登用やイベント列車の導入等観光鉄道化に取り組んだ。 |
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鉄道事業者関係 | 千葉県 | 株式会社観光交通プロデュース 代表取締役 | ・銚子電気鉄道在職時、広報担当として積極的な情報発信に努め銚子電鉄の知名度向上に貢献した。 ・地域鉄道存続のためには地域の活性化が不可欠との信念のもと、大学でまちづくりを学び、まち歩きとセットにしたイベント列車運行など、鉄道のイベント開催にあたって、まちの魅力もPRできる要素を盛り込み、銚子のまちの知名度向上に尽力した。 ・平成22年4月、銚子電気鉄道を退職し、現在銚子市観光プロデューサーとして地域観光振興の企画や営業活動、市民活動の連携支援を行った。 |
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鉄道事業者関係 | 茨城県 | ひたちなか海浜鉄道株式会社 代表取締役社長 | ・駅構内で地域の保育園児の演奏会や地元野菜の直売会実施など、地域に親しまれる「市民鉄道」として数多くの取組みを通じ、鉄道を核とした湊線沿線の新たな魅力づくりと、情報の発信を行っている。 ・前例にとらわれない柔軟な発想で沿線の観光施設や旅行業者と積極的に連携を図り、鉄道利用者の増加に取組んでいる。 ・地域住民と一体となって「鉄道を中心としたまちづくり」に取組んでいる。 |
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バス事業者関係 | 埼玉県 | イーグルバス株式会社 代表取締役社長 | ・不採算路線維持のため、大学と連携し、GPSと乗降センサー等のシステムを活用した路線毎の運行情報や利用状況のデータ把握・分析と、利用者アンケート等を通じた顧客ニーズの把握を通じて、路線バス事業を「見える化」し、運行の最適化、コスト改善により事業の持続性を導き出した。 ・観光資源がある過疎地の生活路線バス等において、上記のプロセスに加え、路線のハブ&スポーク化、ゾーン制運賃等創意工夫による取組を実施し、改善を図った。 |
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バス事業者関係 | 山梨県 | 山梨交通株式会社 代表取締役社長 | ・バス交通の利便性向上と活性化に向けて、インターネットを利用して路線やバス停通過時刻の検索ができるバスマップに、リアルタイムの運行情報やバス停周辺の観光情報を組み合わせた「やまなしバスコンシェルジュ」システムを産学連携により開発し、実用化する等、他業種、大学、行政等と連携しながら、創意工夫による取組を実施した。 | |
バス事業者関係 | 神奈川県 | 神奈川中央交通株式会社 運輸営業部長 | ・BRT導入による渋滞緩和やCO2削減を図り、また新しい企業定期券として、カーボンオフセットとバス定期券を組み合わせた「グリーンエコパス」を導入するなど、公共交通機関として、環境問題にも先進的に取り組んできた。 ・本社の管理部門のみならず、営業所での運行管理や労務管理での知識経験も活かし、路線新設や再編等に取り組む一方、BRTなど先進的な取り組みについて、地域公共交通会議等を活用した自治体との調整を行っている。 |
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タクシー事業者関係 | 神奈川県 | ・株式会社愛鶴 取締役副社長 ・株式会社ハートフルタクシー 取締役副社長 |
・地域への貢献と要望に応えるため、介護・福祉の支援を行うタクシー救援事業(Qタク)サービスを構築し、「陣痛119番」など利用者ニーズの多様な用途に応えられるメニューを構築した。 ・子育て支援タクシーを運行し、今まで運送依頼を躊躇していた子供、母親等との間に、タクシーは安全・安心であるという信頼関係を築きあげた。 ・交通空白地域解消のため、市民の交通アクセスはどうあるべきかを考慮し、行政と連携を図りながらコミュニティタクシーの運行を実施した。 |
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旅客船事業者関係 | 東京都 | 小笠原海運株式会社 常務取締役 | ・ジェットフォイルの高速性・機動性を活かした新規航路開拓のため、東京〜館山〜下田を結ぶトライアングル航路のモニター運航を通じ、定期航路化を実現させた。 ・新たな観光需要と地域活性化の推進を目指し、下田市が中心となって設立した「南伊豆地区・首都圏海上高速航路推進協議会」に参画。東京〜下田、伊豆大島〜下田をジェットフォイルで結ぶモニター運航を実施し、伊豆大島〜下田の定期航路化を実現させた。 |
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その他 | 茨城県 | 特定非営利活動法人ウィラブ北茨城 代表理事 | ・交通弱者である障害者、高齢者に地域密着型サービスを提供することを目的に自らNPO法人を設立し、県内で「福祉有償運送」を行うため、各市町村に対して運営協議会設置運動を展開した。 ・公共交通機関のみならず、スクールバスや一般企業保有の送迎バスなど、地域資源の有効利用を促進する活動を提唱し、地域全般の移動手段の必要性を行政に提言した。 |
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その他 | 栃木県 | ・特定非営利活動法人まちづくり支援センター 代表理事 ・株式会社T.O.パートナーズ 代表取締役 |
・佐野市内の公共交通体系の見直しに際し、交通空白地域において、自ら提案・実現したワークショップの全てに参加し、最前線に立って地域住民と行政との橋渡し役を務め、住民主導による実証運行につなげた。 ・バス路線再編を検討する市役所職員に対し、デマンド交通や新規路線のスリム化等の指導を実施し、基幹線と支線のネットワーク化やフリー乗車、デマンド運行などを導入し本格運行に導いた。 |
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その他 | 神奈川県 | ・特定非営利活動法人かながわ福祉移動サービスネットワーク 理事長 ・移動サービスワーカーズコレクティブ らら・むーぶ港北 事務局長 |
・神奈川県内で交通不便を感じる住民が、自ら主体となって取り組む「地域生活交通づくり」を支援し、地域主体を育て、地域の合意形成、運行に至るまで共に取り組み、実践につなげた。 ・大和市西鶴間・上草柳地域において、住民組織をつくり、市との協働事業により、運行経費を自治会・各世帯からの負担と協賛金等でまかなう「のりあい」の運行に至るまでを支援した。 |
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その他 | 群馬県 | 三立応用化工株式会社 代表取締役社長 | ・群馬県の東毛地域において公共交通の維持・発展を目的に「2015年の公共交通をつくる会」を設立。わたらせ渓谷鐵道や上毛電鉄を民間の立場から支援を行うことを目的に「わたらせ渓谷鐵道市民協議会」、「上毛電鉄友の会」の設立に参画。 ・各組織ともに無償のボランティア参加を基本に活動。公共交通が苦境にある状況にあって様々な取り組みを通して、市民の手で既存の公共交通を守り・発展させていくことを提唱し、沿線市民に公共交通への関心を持たせている。 |
○お問い合わせ先
〒231−8433 横浜市中区北仲通5−57 横浜第二合同庁舎17階
関東運輸局交通政策部交通企画課
TEL:045−211−7209 FAX:045−201−8807