海事技術専門官に任官されると、各地方運輸局等に配属されます。海事技術専門官は船舶検査官、船舶測度官、外国船舶監督官に分かれており、それぞれ主に、日本船の検査、船のトン数の算定、我が国に入港した外国船の検査を行います。最初はその内の一つの業務を専門的に行い、経験を積むと他の業務にも携わっていきます。

　さらに、海事行政に関する政策の立案や関係法令の制定、国際海事機関（IMO）等の国際会議への出席や在外公館等の海外駐在での公務などの業務に携わることもあります。

　種々の経験を経て、海事技術行政のスペシャリストとして経験を積んでいきます。

　新造船の旅客船を検査したことです。

　新しく造る船舶のため、膨大な設計図面のチェックはかかせません。建造中には何度も現場に行き、図面通りに出来ているか、必要な機器は搭載されているか等、船舶が安全に航行するための基準を満足しているか一つ一つ検査をしていきました。

　船舶検査では、船体や機関、設備等様々な専門的な知識が必要であり、また限られた時間の中での的確な判断が求められます。担当していた船舶が無事に検査に合格し、航行した際は達成感がありました。

　島国である我が国の貿易に占める海上運送の割合は約９９．７％であり、海上運送は我が国の生命線です。したがって、安全で環境に優しい海上運送を確保することは極めて重要であり、それらを確保する上で必要な海事技術行政の根幹を担う職務に直接携わることができることは、やりがいの一つとなっています。

　また、利益にとらわれず法と信念に基づく仕事ができることは勿論のこと、現場執行官として、国民の皆さまと非常に近い立場で公務に従事できることも魅力的だと思います。